グラフカットを用いたイラスト画像に対する対象物抽出
Image extraction for illust images using Graph Cuts

1 奥村　亮仁, 2 三好　力
1 Akihito Okumura, 2Tsutomu Miyoshi

1 龍谷大学大学院理工学研究科
1 Ryukoku University

2 龍谷大学
2 Ryukoku University

Abstract: We discuss about the automatic object extraction for illust images (ex.Anime and Manga), in
order to realize classification method of illust images. Graph Cuts method is the method that can extract
a foreground and a background of image decided by a user. We propose the object extraction method
which uses Graph Cuts method and automatically point rough part of objects. By using this method,
extraction accuracy and processing period of automatic object extraction method must be improved. We
compare the method proposed at extraction accuracies and processing times with the our past method.

1 はじめに
今日のWeb 上では、多数のイラスト画像が公開され
ている。また、pixiv のように絵や漫画の公開に特化し
たサイトも存在している。公開されるイラスト画像の
数が多くなるとともに、それらを私的に集める人も多
くなり、集める量も多くなっていると考えられる。集
めた画像を分類する作業は手作業で行われており、こ
れを自動化出来れば便利であると考えた。イラスト画
像に特化した分類手法はなく、前処理となる対象物抽
出の手法も確立していないので、イラスト画像の分類
の前処理として対象物抽出を考える。また、対象物抽
出は分類以外にも有用であると考えられる。
イラスト画像に対する対象物抽出について、既に提
案した手法があるが処理に時間がかかって精度も悪かっ
た。別の手法としてグラフカットによるセグメンテー
ションは既存手法よりも処理時間が短く精度がよかっ
たが、手動で対象物と背景の一部を指定なければなら
なかった。ここで、グラフカット(Graph Cuts) によ
るセグメンテーション[1][2] [5] とは、入力画像をグラ
フをみなして対象物と背景を分割する手法の1 つであ
る。またグラフカットの場合、対象物または背景の指
定がおおまかでよく、指定が少し間違う程度ならば正
しく抽出ができる利点がある。そこで手動で指定する
ところを自動化すればいいと考えた。
本論文は、イラスト画像に対する対象物抽出の自動
化を目的としてグラフカットを組み合わせて用いる手
法を提案する。提案手法では結果を数個の候補として
いる。どの候補が一番良い結果かは別の手法または人
の判断によって決めることとしている。