情報処理学会第 78 回全国大会 5Q-06 MIDI データと自己組織化マップを組み合わせた 演奏曲調分類の研究 垣田 詩鶴香 三好 力 龍谷大学理工学部 はじめに 一般的に人が何らかの用途で楽曲を選ぶ際は、歌手・作曲者・ジャンル・曲調等の特徴を利用していると考えられる。 楽曲の曲調による分類に注目すると、たとえば、街中を歩いているとあちこちのお店から音楽が聞こえてくるが、お店の雰囲気に合った曲調の音楽を流していることが多いように感じる。 また、曲調分類は、音楽を聴く際に使うことも出来るが、楽器を練習するための練習曲を選ぶ際にも有用である。 従来練習曲は、基本的には既知の曲や作曲者・演奏者などから選び、有名な曲や有名な作曲家など、偏った選曲になることが多かった。 しかし曲調分類を行うことが可能になると、知らない曲からも選ぶことが出来、より好みの曲や作曲家を見つけることの出来る機会が増える。 また、演奏した情報を入力に用いると演奏曲と同じような曲調の曲や異なる曲調の曲にどのような曲があるかを簡単に調べることが出来る。 練習曲に同じような曲調の曲を選べばより技術力や表現力を深めることが出来るし、異なる曲調の曲を選べば技術や表現の幅囲を広げることが出来ると考えられる。このように曲調は選曲の上で重要度が高いと考えられるが、歌手や作曲者で選別することに比べて、ジャンルや曲調は感性による分類であるため、それらで選別するのは容易ではない。 そこで本研究では自己組織化マップ(Self-Organizing Map:以下 SOM とする)と MIDI 形式のデータ(以下 MIDI データとする)を用いた曲調分類を検討した。